オールコンプレックス

小説とか書きます。Twitter@oomorimori_

フィクション7

寂しさと虚無と憂鬱に促され、吐きそうになりながら抗うつ薬を2錠、睡眠導入剤1錠飲み込み眠りにつく。これを繰り返し、男と性的な触れ合いをして、なんとか生きながらえている。ずっとこうなんだろうか。年をとったら相手にされなくなる。30歳で死にたいなぁ。特定の相手を作って嫌になるのも嫌になられるのも嫌だ。あーあー、早く誰か殺してくんねえかな。

 

12月24日

カップル達で賑わうクリスマスに独り身で過ごすのが寂しかったのか、勝田から連絡が来た。都合のいい女がいて良かったな。他人事のように思う。当事者意識が昔から薄い。初体験のときですら緊張しなかった。一線を超える感覚がない。未経験の時から性的なことへの興味が濃かったのでむしろワクワクした。まぁ、大したことなかったけど。奉仕するのは気持ちいい。可愛くていっぱい愛でたくなる。

「今日はあるところに連れて行きまーす」

合流した勝田はそう言い、ヘルメットを投げやりに被せてきた。

「ちょっ前髪崩れる」

ヘルメットを装着した私は勝田のバイクの後ろに乗り、高速道路を走っていた。前髪はどちらにしろ前からくる風で崩れた。けど、初めてするバイクの二人乗りは、思ったより気持ち良かったからいいや。このまま死にたいなって思った。私に女子高生は残っていない。17歳の時ですら女子高生になれなかった。今更ヤンキーの彼氏に抱きついて女子高生をしているような気分になった。アホらし。制服はもうコスプレ。いや、あの時からずっとコスプレみたいだった。みんなだけ着こなせていて、私が着るとただのコスプレ。そんな違和感があった。制服にもクラスにも溶け込めなかった。私だけが異色で特別で、劣っていて、気持ち悪くて吐き気がした。普通の学生気分を味わえたらどんなに良かっただろう。眩しい化け物40人くらいから逃げてトイレにこもった。便所飯が一番安心した。今は便所で飯を食うことはないけど、飯を食ってから便所で嘔吐することはある。薬を過剰に飲み込んで嘔吐することもある。吐くとすっきりする。便所飯の後遺症なのかな。ウケる。

「ふー、着いたー」

キラキラ、キラキラ。これは化け物じゃなくて、イルミネーション。目も心も痛くならないイルミネーションだ。

「綺麗…」

「だろ?」

イルミネーションなんていつぶりだろう。去年の今頃は名前も顔も覚えてない男とセックスしてたかな。青色がメインのキラキラが暗闇の中で人々を照らした。皆青く染まっている。やっぱり今更青春をしているみたい。クリスマスにカップルみたいなことしたこと無かったもん。ろくに性格も知らないくせにペニスの形は知ってる勝田の横で、良い夢を見させられた。

 

勝田の家に泊まったが、セックスはしなかった。久々にセックスなしでぐっすり眠れた。悪夢は見なかった。