フィクション5

12月10日

高熱38度。一人暮らしで友達もいなくて冷蔵庫にはろくな食料がなく病院に行く気力もない。大抵男の人と夜をやり過ごしてる私にこの状況はかなり厳しかった。寂しい。寝腐り続けて死にたい。あ、そうだ、ほのかちゃん。ほのかちゃんに連絡してみようかな。ほのかちゃんの話では家近かった気がする。でも連絡したところでどうする?私の寂しさは男でしか埋められないし看病して欲しいなんていったら一回会った程度なのに迷惑かもしれない。あー、仕方ないよね…家族の匂いが全然しない家に育って頼る身寄りもなければこじらせて友達すら出来なかった私が、いざというとき困るのは当たり前だ。でも、やっぱこのままじゃどうしようもない。ほのかちゃんに連絡してみよう。

 

ほのかちゃんに電話をしたら、心配してる様子でうちまで来てくれるといい、うちの台所を借りてお粥まで作ってくれた。体の芯までお粥で温まった気がした。ほのかちゃんは車の免許を持っていたようで、最寄りの病院まで連れてってくれた。ただの風邪、と診断され、薬を処方されて2人で帰った。

「ほのかちゃん…ほんとありがとう…私友達も頼れる家族もいなくてほんと助かったよ」

「ううん、私もたぶんしおりんと同じような環境だから。私なんかで役に立てれば全然いつでも頼って」

ほのかちゃんといると、気が安らいだ。あったかくて、油断するのが怖いくらい。男以外でこんなに安心するの初めてだ。

「それに…」

「ん?」

ほのかちゃんは少し戸惑った顔を見せ、何か言うのを躊躇してる様子だった。私は臆病なヘタレだから鼓動が早まって今にも思考停止しそうだった。

「えっとね、しおりん嫌になるかもしれないけど、私、女の子しか好きになれないのね?知ってたと思うけど…それで、しおりんのこと、初めて出合い系通じて会ったとき好きになったから…また会いたいなって思ってて…だから、ほんと嬉しいんだ今。きっかけはなんであれ。」

「え、そんな私なんかつまんないし好かれるような人間じゃ」

「違う、違うの。しおりんといると落ち着くから。つまんないとか、面白くないとか関係ないよ。」

「そっ…か。私も、ほのかちゃんといると落ち着くよ。ありがとう。」

そう言って、照れ隠しみたいに笑った。男に好かれることすらあんまりないのに、まさか女の子にガチ恋されるとはな…。でも私女の子と性的なことは出来るけど、恋愛対象として好きになることは出来ない。そう思ったら、なんだかほのかちゃんに申し訳ない気持ちになった。俯いて黙考していたら、ほのかちゃんにキスされた。そしたら今度は、ほのかちゃんが照れ隠しみたいに微笑んだ。私はただ、微笑むほのかちゃんをぼーっと眺めていた。

「あ、そうだ私予定あるんだった!変な事言っちゃってごめんね!帰るから1人でもちゃんと薬飲んでね!それじゃ」

バタン、と、マンションの扉が閉まり、ほのかちゃんは自分の家に帰った。