オールコンプレックス

小説とか書きます。Twitter@oomorimori_

フィクション

11月28日

16時起床。19時、渋谷駅で出合い系サイトで知り合った人間と会う。いつもの手順で顔面を人工的な商品たちで彩る。よしよし、マシになった。一般的に見れば私の顔は中の上くらい。中途半端だけどそこそこ可愛いから生きていける。元から茶目っ気のある裸眼なのでカラーコンタクトなしでも可愛くなれる。うん。大丈夫だ。私は可愛い。今日も自分の価値を赤の他人に認めてもらう予定。髪の毛はヘアアイロンナチュラルめにふわっとさせて、前髪は少し斜めにくるっとする。完璧。ではないけど、これが私の最大限。今日も可愛い。大丈夫、大丈夫だ。今日会う人は大手企業勤め33歳エリート。写真で見る限り顔はさほどよくないが、それはどうでもいい。異性の顔なんて許容範囲だったら何も問題ない。いつ買ったのか記憶のない激辛の主張が激しくされたパッケージのカップラーメンを啜る。あー、美味しい。美味しいじゃないか。カップラーメンの癖に。普通に美味しくてそれなりに人に愛されて、コンビニなどで手軽に手に入る激辛カップラーメン。そこそこ可愛くてそれなりに周りの人間に恵まれ、愛されて、出合い系サイトで知り合えば簡単にセックスできる私。「お前と私は似ているね」なんて思いながら、空になったカップラーメンの容器と使用済の割り箸を大きめの生ゴミの袋に雑に投げ入れた。歯を磨いている時鏡の前で自分の姿を見て大きな変化のないことに安心して、中途半端な顔面の構造に少し落胆しながら、ビューラーで睫毛をあげた。ここまでで、時刻は17時45分。一段落して一服。TVもYouTubeも、見たいものがなかった。Twitterつまらない。インスタすぐ見終わる。19時まで暇なので少し渋谷をふらつこう。