オールコンプレックス

小説とか書きます。Twitter@oomorimori_

これで終わりにしたい

8/13

おまけ人生初日。いや多分もっと前からおまけ。おまけの割にはいいね。最近の付録出来がいいからね。

色んなもの手にしてきた結果、何も価値がないと思った。全部腐っちゃう。賞味期限切れです。私も腐っていく。もうダメだ。もうダメだ。もうダメだ。ってこれで何回目?終わっちゃったー。ははは。涙も出ない

何に絶望してるんだろう。何が辛くて文字ばかり打ってるんだろう。人って綺麗なのに汚くて混乱する。私もね、何も無いから

誰も悪くないのにな

つらい、くるしい

フィクション8

1月7日

元旦は茨城の実家に帰省した。なんの仕事をしてるのなどと返答のしずらい質問が飛んできたらバイトを転々としてるなど適当な回答をする。誤魔化すのは疲れる。親戚の集まりが昔から嫌いだ。ド田舎茨城、昔からあそこが好きじゃなかった。何も無い空っぽな場所に住んでいる人間の性質には息苦しさを覚えて何処かへ逃げ出したくなる。干渉が面倒だ。だから私は東京に逃げてきたんだ。ここは息がしやすい。皆自分の生活にしか興味が無いし土足で踏み込むような関わり方をしてこない。一定の距離感をわかってる。

 

「しおりちゃんいい匂いする〜」

「あはは、そうですか?」

今日の会合相手(援交相手)は28歳銀行員男性。ちょっとノリがきもいけど顔がそこそこイケメンだから良かった。性格のせいで彼女ができないタイプなんだろうなぁ。可哀想に。私が忘れた温もりをあげるよ。(笑)彼女はいないといいつつもしかしたら浮気なのかもしれないけど。もう会うことのない男の彼女さんを裏切ったところで私には関係の無い話だ。結局他人の心情なんてどうでもいい。私の寂しさと性欲とお財布さえ満たされれば問題ないんだから。夕飯をご馳走してもらい、ちょっとフラフラして、ラブホテルに入って、いつも通りセックス。なんでだろう。今日はなんだか足りない。いや、最近この感じが多い。正体の知れない鬱屈とした感情におやすみするため男がシャワーを浴びている内にいつもの薬を精子のあとにごっくん。明日になればこの感情とちょっと残念なイケメンくんとも、バイバイだ。

フィクション7

寂しさと虚無と憂鬱に促され、吐きそうになりながら抗うつ薬を2錠、睡眠導入剤1錠飲み込み眠りにつく。これを繰り返し、男と性的な触れ合いをして、なんとか生きながらえている。ずっとこうなんだろうか。年をとったら相手にされなくなる。30歳で死にたいなぁ。特定の相手を作って嫌になるのも嫌になられるのも嫌だ。あーあー、早く誰か殺してくんねえかな。

 

12月24日

カップル達で賑わうクリスマスに独り身で過ごすのが寂しかったのか、勝田から連絡が来た。都合のいい女がいて良かったな。他人事のように思う。当事者意識が昔から薄い。初体験のときですら緊張しなかった。一線を超える感覚がない。未経験の時から性的なことへの興味が濃かったのでむしろワクワクした。まぁ、大したことなかったけど。奉仕するのは気持ちいい。可愛くていっぱい愛でたくなる。

「今日はあるところに連れて行きまーす」

合流した勝田はそう言い、ヘルメットを投げやりに被せてきた。

「ちょっ前髪崩れる」

ヘルメットを装着した私は勝田のバイクの後ろに乗り、高速道路を走っていた。前髪はどちらにしろ前からくる風で崩れた。けど、初めてするバイクの二人乗りは、思ったより気持ち良かったからいいや。このまま死にたいなって思った。私に女子高生は残っていない。17歳の時ですら女子高生になれなかった。今更ヤンキーの彼氏に抱きついて女子高生をしているような気分になった。アホらし。制服はもうコスプレ。いや、あの時からずっとコスプレみたいだった。みんなだけ着こなせていて、私が着るとただのコスプレ。そんな違和感があった。制服にもクラスにも溶け込めなかった。私だけが異色で特別で、劣っていて、気持ち悪くて吐き気がした。普通の学生気分を味わえたらどんなに良かっただろう。眩しい化け物40人くらいから逃げてトイレにこもった。便所飯が一番安心した。今は便所で飯を食うことはないけど、飯を食ってから便所で嘔吐することはある。薬を過剰に飲み込んで嘔吐することもある。吐くとすっきりする。便所飯の後遺症なのかな。ウケる。

「ふー、着いたー」

キラキラ、キラキラ。これは化け物じゃなくて、イルミネーション。目も心も痛くならないイルミネーションだ。

「綺麗…」

「だろ?」

イルミネーションなんていつぶりだろう。去年の今頃は名前も顔も覚えてない男とセックスしてたかな。青色がメインのキラキラが暗闇の中で人々を照らした。皆青く染まっている。やっぱり今更青春をしているみたい。クリスマスにカップルみたいなことしたこと無かったもん。ろくに性格も知らないくせにペニスの形は知ってる勝田の横で、良い夢を見させられた。

 

勝田の家に泊まったが、セックスはしなかった。久々にセックスなしでぐっすり眠れた。悪夢は見なかった。

アンダーグラウンドの景色

「悪は絶対に許せない。どのような理由があろうと悪は悪以外の何ものでもない。その信念は揺るがないし、揺らいではいけないと思う。だって揺らいでしまったら、悪を許容し、野放しにすることになりかねない。例えその背景に残酷さが隠されていたとしても、悪は成敗されるべきなのだ。」ツイート。ここは鬱憤の吐き溜め。
 五月四日。下駄箱の前でクラスメイトの柴原海斗が佇んでいた。柴原の下駄箱の中に目をやると、鼻を刺す臭いがした。上履きの中には糞を新聞で包んだものが入っている。瞬時に把握した。やったのはクラスの立場的に上層に位置している圭たちだ。中学2年の時からいじめっ子で有名で、3年に進級し同じクラスになり嫌な予感はしていたが、案の定柴原をターゲットにしていじめを続けた。このままではいけないと思い、担任の教師に報告した。しかしこの担任がとんでもなかった。道徳観が欠陥していて、その場しのぎの対応しかしない。その後もいじめはエスカレートした。五月二十六日、約一週間前に遡る。教室に圭の怒号が鳴り響いた。
「早く脱げよ!」
海斗は無表情で俯いたまま下着以外の全ての衣服を脱衣した。抵抗すらしなくなっている。無表情の裏側では、収拾がつかないほど膨らんだ憎悪や悲哀を必死で押し殺しているのだろう。いたたまれなかった。圭や圭の友人の尚人、その他いじめに加勢している生徒は諧謔的に笑い続け、写真を撮るなどした。シャッター音がやけに煩かった。悲鳴を上げる女子生徒、苦笑を浮かべる者など反応は様々だったが、教師に報告をする者は誰一人としていなかった。私含め、皆教師には解決出来ないと諦めていたのだ。だがここまでいじめが目立つようになると、担任以外の教師も黙ってはいない。主犯の圭中心に叱責を浴びせるなどした。それでもやはり、圭たちに反省の様子は見られなかった。
目覚まし時計の音で目が覚める。起床後真っ先に思い浮かぶのはいじめの光景。学校に行くのが酷く苦痛になった。しばらくベッドにこもっていると、母が私を起こしにきた。
「日向、もう起きないと間に合わないよ。」
「頭痛い。休む。」
「最近浮かない顔してるけど何かあったの?」
ああ、察していたんだ。クラスで起きていることを事細かに話した。母はいじめへの対応を学校に要請しようかと協力的な姿勢を見せてくれたが、それで状況が好転するとは思えず、私は母の提案を断った。そんな中、現状は変わらないどころか、悪化の一途を辿るばかりだった。
 「日向、あいつらいい加減止めようよ。」
友人の茉由が突発的な提案を持ち掛けてきた。
「止めるって、どうやって。」
「直接対決だよ。日向ああいうの一番嫌いでしょ。」
まあ、嫌いだけれど。私たちが真正面から刃向かったところで収まるとは考えにくい。
「私色々考えたんだけど、尚人は多分話せば分かるやつだからまず尚人と話し合いたい。」
尚人は、なんとなく周囲に合わせている印象があった。茉由はそれを見抜いていたようだ。
「そっか。いつ呼び出すの?」
茉由は数秒の沈黙の後、尚人のいる方へ向かいなにやら話しかけていた。熟考はするが行動力のない私は茉由の行動力に尊敬を覚えていた。
「予約完了!今日の放課後ね。」
「え、今日?」
呆気にとられてしまった。伝える内容の詳細など考えてあるのだろうか。そんな不安の中、放課後はあっという間にやってきた。しかし私は、冷静に話すことが出来なかった。
「圭は家のストレス溜まってるみたいだし、なんか俺圭が可哀想なんだ。」
尚人がそう言った瞬間、私の頭の中に今まで見てきたいじめの光景が走馬灯の如く一気に流れ込んできた。
「え?圭が可哀想?いじめてるの圭だよね?家庭環境がどうとかいじめる理由にならないでしょ。柴原の方が何倍も可哀想。尚人は間違ってる絶対間違ってる私そんなの絶対に納得いかない!苦しんでるのはいじめられてる海斗だけじゃない!私だって!」
ここまで言って、涙が溢れ出してきた。あまりにも一方的で、どうせ伝わらないのも分かっていて、苛立ちは増していくばかりだった。
結局何も解決せず、微妙な雰囲気のまま私たちは別れた。帰宅後、自室のテレビを点けたがその音すら鬱陶しかった。でも何かで気を紛らわさないと憂鬱が迫ってきて、どこかに鬱憤を吐き出したくて、リビングでテレビを見ている母の元へ向かった。
「お母さん、聞いてほしいことがある。」
縋るような気持ちで切り出す。
「ん?日向どうしたの?」
私は間違ってない。そう肯定してほしくて、放課後あった出来事を必死に伝えた。
「日向の真っ直ぐなところ、お母さん好きよ。でもその真っ直ぐさ故に、見逃している部分があるんじゃないかな。正義が悪を成敗するだけじゃ済まないことが世の中にはごまんとある。でもね、だから悪に従えってことじゃないの。そういうときは視点を変えてみるのよ。」
否定、された。私は何も言わずに急いで自室に向かった。テレビの雑音が耳に入ってくる。点けっぱなしだったようだ。陳腐なバラエティ番組に好きな俳優が出ていたが、今はそんなのどうでもよかった。電気も点けずベッドに横たわる。テレビの液晶画面だけが目立っていた。
―真っ直ぐ、すぎる?
あ、だめだ。私の中の何かが崩壊していく。どこかに、鬱憤を。「十五年間生きてきて真っ直ぐさで苦悩したことなんてなかった」ツイート。「周囲の人は私の真っ直ぐさをいつも褒めてくれたのに」ツイート。「私は私のままでいちゃいけないのかもしれない」ツイート。自信なんて、自己肯定感なんて、全部砕け散った。
今日も圭を中心とした男子生徒は柴原に嫌がらせをしていた。それは一週間経っても、一カ月経っても変わることはなく、もはや日常と化していた。茉由がいじめについて触れることはなくなった。感覚が麻痺したのだろうか。私と同じかもしれない。受験シーズンで時間はあっという間に過ぎ、気付けば卒業の季節が来ていた。
「えー皆さん、卒業式お疲れ様でした。辛いことも沢山あったでしょうが、友達と貴重な時間を過ごせたと思います。先生の願いは皆さんが幸せな人生を歩むことです。それでは最後に、みんなありがとう!」
担任がやけにわざとらしい表情で使い古された台詞を言うと、感動した者も、そうでない者も、雰囲気に流される者も拍手をする。普段から生徒思いの教師が言ったのなら私も感動に浸ることが出来たのかもしれないが、都合の悪いことからは逃れ澄ました顔をしているような教師だ。胸糞が悪かった。圭、尚人、その他いじめに加勢していた生徒は中学校で過ごした青春の日々を回顧しながら笑い合っていた。
高校に入り、新しい友人と卒業アルバムを共有したことがある。アルバムを捲るうちに卒業式の日のことも思い出していたが、その時の柴原の顔は、思い出せなかった。

お酒が飲める年になった。中学時代の同窓会は、意外にも9割以上の元クラスメイトが参加していた。盛り上がりに欠けてきたころ、幹事の者が会計の流れに持ち込み、解散した。私は隣席だった茉由と駅に向かった。
「圭は来てなかったね。」
しばらく耳にしていなかった名前に、うやむやにしてずっと思い出さないように厳重に鍵をかけて閉まってあった記憶の蓋が、突如開けられるような感覚に襲われた。
「そうだね。」
「尚人さ、圭の家庭環境のこと言ってたじゃん。あとでわかったんだけど、圭って父親に虐待受けてたらしい。」
「そうなんだ。」
私は自分の在り方が分からなくなって以来、真っ直ぐさは何の役にも立たず、それどころか鋭利な刃物となって人を傷付けるのだと悟った。壁を隔てた人付き合いしか出来なくなり、本心を言えなくなった。プライドばかり高くなって、心の中で毒突き、見下してばかりいた。傷付けられた自尊心を更に傷付けられることを恐れていたのだ。圭も同じだったのだろうか。父親と同じ毒で、見下し支配することでしか、自分の無力さへの絶望、苦しみを失くすことが出来なかったのかもしれない。
 駅に着き、茉由に別れを告げ、別々の電車に乗り込む。
 お母さん、私に足りないのは想像力だったのかな。いつだって優先していたのは自分の感情で、圭の抱える闇には目を向けることが出来なかった。尚人に感情的になったのも、悪を悪としてしか捉えられない視野の狭さ、頑固さだった。挙句母の助言すら自分への否定的意見と捉え、それからは過剰に保守的になった。私は圭と同じじゃない。私は私が大好きで仕方なくて、いつも自分を正当化して馬鹿みたいに自分にだけは過保護だったんだ。
 私は自分の本質と向き合うことから逃げていた。真実を知り過去の記憶に触れて、圭に抱いた感情は以前とは異なるもので、己の過去も、人の罪も、少しだけ許せたような気がした。
 終電に揺られる中、私は忘れていた柴原の顔を思い出していた。

フィクション6

12月20日

渋谷の一角にあるマンションの一室、ベッド上にて、頭が真っ白になる。男が私に触れ、私を侵食している間、私の中身は一時的に空っぽだ。

「俺バイクで来たんたけど家近いからうち寄ってく?」

私は小さく頷いた。

あぁ、はい。はいはいはいはいはいはいはいはいはいはい。きた。きたよ。うち寄ってく?出ました。そのパターンね。ホテルじゃなくて自分の部屋ね。彼、勝田正司は高校の同級生。会ったのは援助交際目的ではない。彼から久々にLINEで連絡がきて、会うことになった。やっぱりこうなるとは思っていたが、まあ私は誰とでもヤル女だからそれはどうでもいい。こいつ、ホテル代すら出したくないみたいだ。まあ、どうでもいいけど。それにしても学校の同級生って苦手だ。学生生活しているときから苦手だった。あの集団にいると意識はおかしくなり、私は不登校少女と化した。化物にすら見えたよ。クラスメイト。思い出すだけで嫌になる。

「部屋は汚くてもいいけど、ベッドくらいは綺麗にしといてね。」

なんて思った一時間ほど前。

来てよかった。だって、彼、セックスがすごく上手い。お金なんて貰わなくていいくらい。週一くらいで会ってもいいくらいには。

「また会おうよ」

帰り際に社交辞令ともセフレ目的ともとれるセリフを言われた。とりあえずすぐには決めず、あとで連絡する、と嘘になるかもしれないセリフを吐いた。

帰宅して酒を一杯。泊まらない日は酒でも飲んで寂しさに蓋をするのが私の習慣。よし、明日も完璧な思考停止の遊びを続けよう。

 

なーんてね。

フィクション5

12月10日

高熱38度。一人暮らしで友達もいなくて冷蔵庫にはろくな食料がなく病院に行く気力もない。大抵男の人と夜をやり過ごしてる私にこの状況はかなり厳しかった。寂しい。寝腐り続けて死にたい。あ、そうだ、ほのかちゃん。ほのかちゃんに連絡してみようかな。ほのかちゃんの話では家近かった気がする。でも連絡したところでどうする?私の寂しさは男でしか埋められないし看病して欲しいなんていったら一回会った程度なのに迷惑かもしれない。あー、仕方ないよね…家族の匂いが全然しない家に育って頼る身寄りもなければこじらせて友達すら出来なかった私が、いざというとき困るのは当たり前だ。でも、やっぱこのままじゃどうしようもない。ほのかちゃんに連絡してみよう。

 

ほのかちゃんに電話をしたら、心配してる様子でうちまで来てくれるといい、うちの台所を借りてお粥まで作ってくれた。体の芯までお粥で温まった気がした。ほのかちゃんは車の免許を持っていたようで、最寄りの病院まで連れてってくれた。ただの風邪、と診断され、薬を処方されて2人で帰った。

「ほのかちゃん…ほんとありがとう…私友達も頼れる家族もいなくてほんと助かったよ」

「ううん、私もたぶんしおりんと同じような環境だから。私なんかで役に立てれば全然いつでも頼って」

ほのかちゃんといると、気が安らいだ。あったかくて、油断するのが怖いくらい。男以外でこんなに安心するの初めてだ。

「それに…」

「ん?」

ほのかちゃんは少し戸惑った顔を見せ、何か言うのを躊躇してる様子だった。私は臆病なヘタレだから鼓動が早まって今にも思考停止しそうだった。

「えっとね、しおりん嫌になるかもしれないけど、私、女の子しか好きになれないのね?知ってたと思うけど…それで、しおりんのこと、初めて出合い系通じて会ったとき好きになったから…また会いたいなって思ってて…だから、ほんと嬉しいんだ今。きっかけはなんであれ。」

「え、そんな私なんかつまんないし好かれるような人間じゃ」

「違う、違うの。しおりんといると落ち着くから。つまんないとか、面白くないとか関係ないよ。」

「そっ…か。私も、ほのかちゃんといると落ち着くよ。ありがとう。」

そう言って、照れ隠しみたいに笑った。男に好かれることすらあんまりないのに、まさか女の子にガチ恋されるとはな…。でも私女の子と性的なことは出来るけど、恋愛対象として好きになることは出来ない。そう思ったら、なんだかほのかちゃんに申し訳ない気持ちになった。俯いて黙考していたら、ほのかちゃんにキスされた。そしたら今度は、ほのかちゃんが照れ隠しみたいに微笑んだ。私はただ、微笑むほのかちゃんをぼーっと眺めていた。

「あ、そうだ私予定あるんだった!変な事言っちゃってごめんね!帰るから1人でもちゃんと薬飲んでね!それじゃ」

バタン、と、マンションの扉が閉まり、ほのかちゃんは自分の家に帰った。

 

 

フィクション4

12月4日

今日は塾講師と出会う。シャンプーの香りをイメージした香水を軽く吹きかける。やり過ぎないふわふわ髪。ナチュラルメイク。派手でない可愛らしいネイル。万全の状態で今夜も渋谷へ向かう。

「りょうたさんですか?」

「あ、しおりさん、ですよね。こんばんは」

幸薄顔に細身なスタイル。縁の黒いメガネ。この時点で結構タイプだった。彼、塾講師のりょうたさんとは、話が弾んだ。性根の暗さが同じような気がして、安心して話せた。適当なファミレスで食事して、ホテルに向かった。

「しおりさん頻繁に出合い系使って援助交際みたいなことしてます?」

ベッドに座るとりょうたさんは突然聞いてきた

「え、はい、してます」

思わず超正直に答えた。でもまぁそういう掲示板で出会ってるし今更嘘を考えることもない。

「なんで続けるんですか?」

「なんで…」

息が詰まった。セックスが好きだから?お金が欲しいから?出会いに高揚するから?でも、それより何より私は

「寂しいから、ですかね…」

これに尽きた。

「やっぱそうですか。しおりさんそんな感じしますもん。ただのビッチとも思えないし、お金が欲しいだけにも見えない。」

まぁ、ただのビッチなんですけどね。働くのめんどくさくてこうしてお金稼いでるビッチですよ。私は。

「そんな綺麗な人間じゃないですよ…えへへ」

「可愛いですね」

「あ、ありがとうございます。照れるなぁ突然そんなこと言うから〜笑」

うん、私可愛いでしょ。人並みよりいいでしょ。そういう言葉大好きだよ。もっと言ってくれてもいいよ。自分の価値を認められるの大好き。私自分が大好きなんだもんきっと。

 

りょうたさんのアレはおっきかった。おっきいアレをイラマチオして苦しくなってたら可愛いって言われた。セックスしてる時、男の人はいつもより可愛いと思ってくれるんだろう。だから私は誰とでもセックスしたい。安売りだろうがなんだろうが構わない。男の人に価値を認めてもらえることほどいいものってない。それにセックスは楽しい。これがあれば生きていける。私がそこそこ可愛い女で良かった。ふと、ほのかちゃんを思い出して、やっぱ男のがいいなぁなんて思った。